気–混沌の余韻
Qi ‐ the scent before yin and yang

2020/石膏ボード、スタイロフォーム、垂木、曲げ合板、電気コンロ、ステンレス円盤、墨汁、LEDテープライト、アクリル板、布、柱材、普通合板、和紙

墨汁を用いて「気」を感じさせるインスタレーション。
水面に波紋を起こす装置と、空間全体の要素で視覚、嗅覚、 触覚を刺激させて「気」を表現。

作品全体は高さ2250x幅2700x奥行3600mmの空間。空間の中央に上下から円柱を設置し、床に置いた円柱の上面にステンレス円板の受け皿を載せ、その中に墨汁を入れ、湯気が見える程度の温度まで温める。それによって湯気を霧のように魅せる。上昇した湯気は水滴に変わり、墨汁の中に落ちて波紋が広がる。水面に広がっていく波紋、立ち昇る霧、結界のような環状照明を中心にし、空間全体の匂い、冷たさ、暗さと共に「気」を表現。

「気」は混沌の余韻であり、水面に広がっていく波紋である。「気」の集合離散を具象化し、万物の生成消滅という美しい変化を表現した。天気や地気、それに人気(ひとけ)。物事は「気」を感じることによって創まる。「気」を感じることは、人や物だけではなく、そこから響いた余韻もふくめて感じることではないか。その「気」を私は感じていたい。

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